045-263-887

営業時間:10:00~17:00/定休日:水曜日

045-263-887

お問い合わせ

BLOG

2024.09.20

「初老の祝い」~人は血管とともに老いる~

時代の流れと共に「高齢者の定義は変えたほうがいい」という話もあるなか、会社の仲間に初老の祝いをしてもらったという方の話を耳にしました。初老とは数え年の42歳(満40歳)のことで、還暦や古稀、喜寿、傘寿、米寿などと同じく「賀の祝い(がのいわい)」にあたり、今より遥かに平均寿命が短かった古来行われていた長寿の祝いのひとつです。

42歳といえば現代の感覚では油の乗った働き盛り、40代になったばかりで、老後もまだ大分先といった印象です。そうしたことからでしょうか、現代では初老の祝いは行われないどころか、そんな祝いがあったことすら知らないという方が大多数のようです。これも医学や文明の進歩により私たちの寿命が伸びた証といえそうですね。

最近は還暦の祝いをしないという話もよく耳にします。このまま平均寿命や健康寿命が伸び続けることにより、還暦の祝いも人々の記憶や習慣から消える日が来るかもしれません。

このように医学や文明の進歩により、私たちの寿命が急速に伸びていますが、私たちの体のつくりまでが大きく変革を遂げたわけではありません。ですから、寿命が伸びた分だけ私たちは古代の人々より一層自分自身の健康に気にかける必要があると言えます。

●血管について

サブタイトルの「人は血管とともに老いる」は医学教育の基礎を築いたウィリアム・オスラー(1849〜1919)の言葉です。

私たちの身体には、血液を心臓から全身に送る動脈と心臓に戻す静脈が巡っています。それらは、身体を作る細胞の一つひとつに酸素と栄養を与え、老廃物を排出しています。人の体の血管の総延長は地球の2週半と言われ、信じられない長さですが、その血管と心臓は休むことなく働き続けています。しかし、血管は年齢を重ねるごとに弾力が低下したり、血管内にコレステロールが付着して狭くなったり傷ついたりしてその機能を十分に果たせなくなります。

私たちに新鮮な水を届けてくれる水道管が老朽化などで破裂したら、あるいは排水を運ぶ下水管が詰まるなどしたら…これと同じ状況が血管でも起こるというわけです。

●こんな症状には注意

なんとなく肩がはる、血圧が高い、顔手足がむくむ、急に体重が増えた、胸や背中・お腹・腰が痛む、胸が締めつけられる、みぞおちが痛む、歩くと息が切れる、階段を登ると辛い、脈が乱れる、立ち上がったときなどにめまいがする…

症状が軽ければ「単なる」老化だと気にも留めない方がほとんどですが、それらの症状こそが、血管や心臓が細くもろくなり、弱りはじめている「老化」の正体(サイン)ですので、とりわけ中高年にさしかかる年代は注意が必要です。
急いで治療する必要がなかったとしても、食事や睡眠を疎かにしないことが大切です。また、ストレスは血管や心臓に負担になるので過労状態にならないよう十分な勤務間インターバルを確保し、オーバーワークになりそうなときは周りの仲間を頼るなどご自分の体をいたわりましょう。生活スタイルや仕事のやり方を変えるなど、未病の段階で適切な対処を行うことは、病気になって治療するより、遥かに大切で有効な対処方法です。

肌の老化や筋力の衰えとは異なり、血管の老化や動脈硬化、高血圧などは目に見えず自覚症状もなかったり乏しかったりして検査しないとわからないことが多いものです。体調に変化がないか注意するとともに、定期的な健康診断で健康状態を客観的データとして把握し、必要に応じて専門医にサポートを求めることで血管と心臓も含め、健康と若々しく健やかな人生をめざしましょう。

pagetop
045-263-8870 LINEで相談