ブログ
2024.10.27
「生きたアートBONSAI」~盆栽の魅力から素朴なギモンまで~
近年日本のとある盆栽園のSNSには海外に多数のフォロワーがおり、それがきっかけで日本の盆栽を知るために来日したり、盆栽職人を目指して弟子入りしたりする外国人の若者が少なくないといいます。今回はそんな盆栽の魅力をお伝えしようと思います。盆栽の魅力を知ったら皆さまも盆栽をはじめたくなるかもしれませんよ。
●生きたアート
盆栽は浅く小ぶりな鉢に樹木を植えて自然風景の雄大さや美しさを表現します。世界に誇る日本の伝統文化のひとつであり、いまでは「BONSAI」としてその名は世界に広がっています。近年日本の植木の輸出本数は減少していますが、盆栽に限っては輸出本数が増加傾向にあるそうで人気の証のひとつといえます。
盆栽にはアートのように鑑賞する楽しみのほか、自分で長時間手間暇をかけて作品を育て上げる楽しみがあります。盆栽は自然とつながる生きたアートで、日々の成長の変化を楽しむのが醍醐味のひとつです。上述の盆栽園のSNSフォロワーや盆栽職人を目指して弟子入りする外国人はその魅力に惹かれたのに違いありませんね。
●盆栽の大きさ~手軽にはじめるなら…
盆栽のサイズは樹高がおおよそ50センチ程度以上のものが一般的です。それより小さい盆栽(中品盆栽、小品盆栽)もあります。小さいものでは樹高が10センチ程度以下のミニ盆栽やさらに小さいプチ盆栽、豆盆栽といわれるものもあります。
大きい盆栽は迫力満点ですが、育てるには相応の年月と手間暇がかかりますし、購入するとなるとその金額は高額になります。一方、ミニ盆栽をはじめ小さいサイズのものは少ない年月で育てることができ、購入する場合も低価格。さらに、小さい盆栽は省スペースで肥料なども少量で済むうえ、樹形に手を入れても変化を比較的早く感じることができるなど扱いやすいメリットがあります。そんなに手軽ならちょっと始めてみたくなりそうですね。
●樹木の種類とそれぞれの特徴
盆栽の代表的な樹木には次のようなものがあります。
「松柏類」・・・これは松、杉、檜などで常緑樹であるため一年中緑が楽しめます。枝が柔らかく曲げやすいためさまざまな樹形が作りやすいといった特徴があります。
「葉物類」・・・これには欅、紅葉、楓、イチョウ、エノキ、ガジュマルなどがあります。落葉するため、春夏の新緑や秋の紅葉などを身近で楽しむことができます。
「花物類」・・・これには桜、梅、サツキ、ボケ、サルスベリ、ツバキ、バラなどがあり、花の咲く様子を楽しめます。開花で四季を感じ花の香りも楽しめます。
「実物類」・・・ザクロ、姫リンゴ、南天などで、実をつける様子やはじめは小さかった実が大きくなり色づいていく様子などを楽しめます。なかには花も楽しめるものもあります。
「草物類」・・・シダ、フクジュソウ、イワヒバなど盆栽の添え物や数種類の野草などを寄せ植えして山野の景色を再現するために用いられます。
●盆栽のギモン
最後に盆栽にまつわる素朴な疑問をいくつか取り上げてお答えしてみます。
「盆栽が大きくならないわけは?」・・・鉢が小さいと根が成長しないためです。木は根の成長にあわせて大きくなるので、盆栽を地面に植えたら根が成長して大きな木になります。
「盆栽は庭先の棚の上に置いてある印象があるけれど?」・・・地面に置くと虫が付きやすくなるため、棚の上が勧められます。
「盆栽は日本生まれ?」・・・起源は中国とされ日本に渡来後独自の発展を遂げました。
「なぜ大宮(埼玉県)が盆栽の聖地になったの?」・・・関東大震災で被災した盆栽業者が盆栽育成に適した土壌を求めて大宮へ東京から移り住んだのがはじまりとされています。
●おわりに
もしかしたら早速盆栽に興味がわいてきた方がいらっしゃるかもしれませんね。盆栽は手をかけた分だけ愛着が増すそうです。ぜひ長くお楽しみいただければ幸いです。